茗溪学園の人間教育の一翼を担っている「学寮」を支援する寮父母会ですが、近年は、寮生の減少に伴い会員数も減少傾向にあります。その背景には、少子化によりできるだけ子供を手元におきたいとする意識が以前にもまして強まっていることや、長引く景気低迷の影響からくる経済情勢の変化により、入寮志願者が少なくなっていることがあるようです。その外には、地元通学圏内の入学希望者が多いことなどいくつかの要因が挙げられます。
しかし、このような時代だからこそ、社会に巣立って行く子供たちにとって「不自由な生活環境」のもとで育まれる知恵、自立心、協調性がなおもって貴重なものとなり、将来にわたって輝きを放ってくると思えてなりません。
運営委員会としましては、会員相互の親睦はもとより、学寮の設立理念がひとりでも多くのかたがたに伝わり、ひいてはそのことが会員増加につながることを念頭に抱きつつ、年間行事を進めてまいりたいと考えています。
平成14年度の行事報告
平成14年度の寮父母会および懇親会が10月に茗溪会館にて行われました。第10回の集いを飾る記念事業として、元茗溪学園教諭の古山浩一氏をお招きして講演会を開催いたしました。同氏は、茗溪学園の美術教育の基礎造りに尽力されたかたで、その人間味溢れるアーチストとしての才能には、今でも多くの父母が魅せられています。今回は、5、6年生の父母のラブコールにより、講演の運びとなりました。
「茗溪学園の思い出」と題した講演会では、在職中の数々の経験談から、創立間もない理想に燃える学園のようすを垣間見ることができ、客観的な立場から語る茗溪学園については、「個人課題研究」が導く子供たちの将来の可能性について、熱く語っていただきました。何れのお話も豊かな表現力とユーモラスな語り口により、会場全体が明るい空気に包まれる中、あらためて茗溪教育の魅力に触れることができました。
第二部の懇親会では、学寮を担当されるハウスマスターの先生がたから各フロアーの日常のようすをお話しいただきました。また、恒例の6年生父母代表のスピーチでは、内田さん、大橋さんの両名に入学当初からこれまでを回想していただき、6年間でいかにして子供たちが成長するかを語っていただきました。先輩お二人の示唆に富んだお話は、後に続くわれわれに大きな勇気を与えてくれました。
こうして、第10回目を数える寮父母会及び懇親会は、学寮らしいアットホームな雰囲気のうちに大いに盛り上がり、閉会いたしました。
寮父母会の部屋へようこそ
寮父母会会長 金子 豊
- 最近、心に残った言葉。
- 臨海訓練に参加して ’02夏