茗溪学園父母会広報委員会活動休止から再開まで

茗溪学園父母会広報委員会活動休止から再開まで
〜新たなる広報誌発行への道のり〜

令和3年度広報委員会 委員長 北田隆

<< 広報委員活動に影を落とした新型コロナウィルス感染症 >>

2019年度夏。茗溪学園会議室は熱気に包まれていました。『父母会便り第一号』の印刷と綴じ込み作業を行うためです。年度始めから実施してきた企画、取材、執筆、紙面割り、校正と編集の流れを経て、出来上がった原稿を製本するのです。
印刷室から上がってくる頁ごとの原稿の山を人の手で頁順に並べ替えていきます。集まった委員たちが手早く、かつ正確に並べ替え、ホチキス担当が職人技のスピードで綴じていきます。
印刷部隊も負けてはいません。年季の入った印刷機を扱うのにはかなりのコツが必要です。刷り上がった原稿を台車に乗せて会議室と印刷室を往復します。
こうして半日がかりで千八百部を製本しました。その後、生徒たちを通じて『父母会便り』は保護者の手に届けられました。
2019年度の父母会便り第二号の原稿も準備が進み、2020年2月も同じ手順で印刷・製本されると誰もが思っていました。
しかしその機会はやって来ませんでした。
新型コロナウィルス感染症の蔓延により茗溪学園も運営形態を変えざるを得なくなりました。父母会の活動もそれにならい、人の密を避けなければいけなくなりました。茗溪学園父母会広報委員は「子供の茗溪学園生活を応援する保護者のコミュニケーション誌」をモットーとする父母会主催の組織です。学園がオンライン授業への切り替えに奔走する中『父母会便り』を製本する余裕はありませんでした。

<< コロナ禍の広報活動休止 >>

2020年度が始まりました。なかなかオンライン授業が準備できない学校がある中、茗溪学園のオンライン授業対応は素早く進み、生徒たちはいち早く授業を再開できるようになりました。先生方の努力は素晴らしいの一言です。
しかし残念ながら、広報委員活動の状況は進んだとは言えませんでした。出せずにいた2019年度『父母会便り第二号』を電子版という形式で5月に配信することができましたが、本来の形式である紙での配布はできず、目を通されなかった保護者もおられたかと思います。
紙面作りというのは人と人の接触が前提です。取材しかり、製本しかり、親睦会もしかりでしょうか。そしてまた、記事構成の仕方や、印刷機の扱い方など人から人へ伝えられるノウハウもたくさん存在します。当時の副校長先生より最低限委員の存続をお願いされましたが、ノウハウの伝達は活動自体がないことには難しいものがあります。
さらに追い討ちをかけるように、新型コロナウィルス感染症のために中止せざるを得なくなったイベントの数々。『父母会便り』の記事の多くはその学年でメインになる行事を記事にします。研修旅行やキャンプなど父母が参加できない行事を興味深く読まれた保護者の方も多いと思います。それを生き生きとした文章や写真でお届けできることが『父母会便り』の意義だと思います。電子版配信の経験を得たとは言え、伝える記事がなければ広報誌になりません。そして新型コロナウィルス感染症の勢いは増し、時間だけが過ぎていきました。実質的に活動休止状態となり本当にピンチだと感じました。

<< 新たな活動の模索と活動再開そして期待 >>

2020年度末、危機を感じた前広報委員長がタスクフォースを結成しました。目的は2021年度に活動再開するための活動方針作りです。広報活動経験の豊富な方々数名とチームを組み、私が代表という形になりました。
しかし課題は山積しています。そもそも集まることができず、メールでのやりとりが続くばかり。話が一向にまとまりません。それに加えて、私は物事をまとめるのが大変苦手でして……。
何も決まらないまま、あれよあれよという間に2021年度に突入してしまいました。コロナ禍という特殊な状況で何が作れるのか、どう作るのか、話し合いはどうやるのか。学園や生徒たちに負担をかけずに記事をまとめることはできるのか。気持ちばかりが焦る中、続々と新委員が決まっていきました。驚いたことにみなさん『父母会便り』発行への思いはとても強く、私が最低限広報委員会を存続できればよいと考えていたのに対して、発行に向けて次々と出されるアイデアがその弱気な思いを覆しました。さらに副校長先生より「手伝えることは遠慮なく言ってください」という温かいお言葉をいただき、できることをできるところまでやろうと気持ちが固まりました。集まれないなら集まらないで作れるものを作るしかありません。今年度は電子版の一回のみの発行。会議はTeamsで行い、校正はメールのやりとりで行うことにしました。

委員の人たちは知恵を絞ってネタを探し、かき集めた情報で記事作りに邁進しました。そして2021年末になんとか発行まで漕ぎ着けることができました。発行までの慌ただしさは製本時のときとは質の違いはありますが、その熱量は同じと言っていいでしょうし、終わった後の大きな安堵感や開放感は変わらないものがありました。
2021年度『父母会便り第一号』は、もしかしたらご期待に添うような濃い内容ではなかったかも知れません。それでも活動は再開し、時代に即した変化も起こり始めています。合っているかどうかはともかく、新たな世界線で活動を再開できたことを関係者全員に感謝しつつ、2022年度以降の進化に期待をしたいと思います。