新型コロナウイルスの変異株を伴う感染拡大の影響が心配される中、今年度の茗溪学園の桐創祭は学校関係者のみのオンラインでの開催となりました。今回は、茗溪学園の新たな試みとなった「オンライン桐創祭2021」を視聴された三名の父母よりご感想をいただきました。
【寄稿者:43回生父母】
オンライン公開ページでは、各クラスや部活動ごとの活動内容が写真や動画で紹介されており、それぞれの創意工夫を感じることができました。
新たなチャレンジとなるオンライン文化祭の運営や、そこで観ることができるYouTubeのライブ配信や活動紹介動画も、生徒の皆さんが試行錯誤して実現したもののようです。
人が密集しないように配慮した展示作品等が多く、子供が楽しめたのかやや気になりましたが、聞いたところ久々に皆で協力して何かを創り上げる機会となり、本人もクラスの仲間も和気あいあいと取り組んでいたようで安心しました。
また2日目は雨も上がり、屋外の活動もできたようで何よりでした。(中庭写真は子供より提供)
今回の文化祭は、活動内容に様々な制限があったと思いますし、初めて経験する課題も多く、必ずしも満足のいく結果ばかりではなかったかもしれません。
それでも今できることを模索し、何かを形にする経験は、今後の人生でも必ず活きてくると思います。
昨年度コロナで休校となった際、先生方が試行錯誤しながら迅速にオンライン授業を実現していった姿と重なる部分もあり、自ら道を示しながら、生徒自身に歩ませる、そんな教育指導を体現されている先生方にも改めて感謝しております。
「新世界」をのぞいてみたら 〜オンライン桐創祭を視聴して〜阿部美幸
2年ぶり、そして茗溪学園初のオンライン桐創祭 (6月4日、5日開催)が限定公開されました。
テーマは「新世界」。その世界をのぞいてみた感想です。
最初に踏み込んだ世界は「室内楽部」。弦楽器の音色が心地よく、「星に願いを」が流れてきたときは、いろいろな思いがこみ上げてきて、涙ぐんでしまいました。
次は、「部活同好会」の世界へ。
毎年、足を運んでいた「茶道同好会」や「イラスト同好会」の動画や作品展示を見ながら、「お抹茶おいしかったな」とか「黒板にイラスト描いたなぁ」と思い出しました。
「映像/展示団体」の世界では、高1(43K)と高2(42K)の映像作品を視聴。
我が子は小道具作りなどに関わり、作業が楽しかったようです。「そういえば、わが家から持ち出した板はどこに使われているのかな」と思いながら、画面を探したところ、ちゃんと立派な「祠(ほこら)」になっていました。脚本もしっかりとした内容で、少ない時間で、準備・撮影・動画編集(これはすごく大変だったはず!)と、よくぞここまで作り上げたなぁと感心しました。また、高2の映像作品のレベルの高さには正直驚きました。画面の構図や、キャッチーなセリフ、見せ場の作り方、音の鮮明さなど、クラス一丸となって取り組んでいる「熱」が伝わりました。お気に入りのシーンは、何度も見てしまいました。これができるのは、オンラインでのメリットのひとつですね。
そして、待ちに待った音楽選択者による「Pineapple Award 2021」(動画)。中3から高2の全19チームがDoo-wopを披露してくれました。課題曲は中3「上を向いて歩こう」、高1「Remember me baby」、高2「So much in love」。リードボーカルとハーモニーで奏でる音は、なんてステキなんだろう、と思いながら聞きました。発表に向けて練習した生徒たちに拍手を送ります。そして、あらためて来年こそは、コモンスペースで臨場感あふれる歌声を体感したい!と切に思いました。今でも「So much in love」のオリジナルやカバーを何度も聞いて、Doo-wopにハマっています。
コロナ禍での開催ということで、先生方も大変悩まれたと思いますが、一部とはいえ、とても見応えのあるイベントでした。でも、本当のことをいうと、パンフレットを片手に、あちらこちら迷いながら学園内の展示を見て回り、中庭のパフォーマンスに胸を熱くしたり、友人と笑い合う子どもの姿を見かけたり、親も一日楽しんでヘトヘトで帰るという桐創祭が待ち遠しいです。
来年こそは、「生(なま)」の桐創祭を見られることを願ってやみません。
「新世界」への挑戦田中 新
今年の茗溪学園の文化祭「桐創祭」は初のオンラインでの開催でした。とはいえ生徒たちは毎年の桐創祭と同じように企画・準備・当日披露をしていました。
なかなかできにくい渦中にあって、なるべく学校活動を維持して行うという強い信念が感じられてどんな形であれ生徒たちにとって桐創祭ができたのはとてもよかったと思います。
特に自分の子は高2で今年がクラス単位で行える最後の年となるのでやる、やらないは学校生活の上で大きな違いだったと思います。
それにしてもそれをオンラインで披露するというのはなかなかできることではないと思います。もうオンラインで見せるのはやらない、と決めてしまえば何もしなくてもいいわけですがそれをあえてどんな形にせよ校外から見られるようにしたのはとても茗溪らしいやれることはやる、が感じられてとても好感が持てました。
オンラインの検討当初は、一般公開することを前提で進めていたようです。父母会ホームページ委員会の一員としてホームページへの記事掲載をしているとその難しさがよくわかりますが、生徒の顔も映し出されることもあるでしょうしそれなしでの公開ではなかなかに味気ないものになってしまうでしょう。きっととっても公開したかったんじゃないかと思うのでその無念さが伝わりました。
もう一つはいくつかの会場のライブ配信に挑戦したのも少しでも見せたい、という表れだと思います。多少音が途切れたりといったアクシデントというか手作り感満載で、それはそれでアットホームでいいなと思いましたが、何といってもその場でやっていることを同じ時間に見られたのは良かったです。吹奏楽の演奏、中2の演劇、書道部のパフォーマンスなど見ていて楽しかったです。よかったのがその演奏やパフォーマンスだけでなく、それを見ている生徒たちの状況が見られてライブ感があるというか、その場の雰囲気がとてもよく伝わってきました。
生の桐創祭を見に行っていた者から見ると、そのにぎやかさや生徒たちのはじける躍動感、はたまた自分も桐創祭に乗っかって、「レストランおかあさん、おとうさんもいっしょ」などの行事に参加して一緒に桐創祭の楽しさを肌で感じられていたことから比べると、やっぱりどうしても限界はあるのかな、というところはあります。来年からはまたいつもの楽しい桐創祭が見られることを願っています。