茗溪学園 父母会

44回生(中1) 里見キャンプボランティアレポート

茗溪学園の中学1年で行われるキャンプでは、父母がボランティアとして参加します。今回生徒たちと一緒にキャンプに参加された父母にご寄稿いただきました。

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44K(1年) 鈴木篤史

 

2019年9月の3日間で行われた44回生の里見キャンプに、保護者キャンプボランティア(以下キャンボラ)として参加ました。以下、キャンボラの活動内容についてご報告します。

 

1日目

【集合】

キャンボラは、8時に会議室に集合しました。この時が初顔合わせで、父10名、母18名、合計28名が集まりました。ほとんどの方が初参加でしたが、2回以上参加経験のあるベテランメンバーも数名いました (心強い先輩です)。小野満先生から「子供達に考えさせ、決して先に手を出さないこと」、「危険に目を配ること」、「子供達をよく見て観察すること(必要に応じて先生へ報告すること)」等の注意事項があり、またキャンボラ活動中の写真撮影は原則禁止でした。キャンボラリーダー、出発式での挨拶担当、移動の配車等の役割分担を決めて会議室を後にしました。

 

【出発式】

ホームルームを終えた生徒達が保健室前に集まり、出発式が行われました。中学1年生にとっては初めてのキャンプ。大きなリュックを持ち歩くのが不慣れな様子で、集合時間にも少し遅れ気味でした。生徒達の進行で式は進み、小野満先生の挨拶「怪我が無いのが良いキャンプ」、新谷先生の挨拶「トラブル発生で帰って来られない夢ばかり見て、よく眠れなかった」に続き、里見キャンプチーフリーダの挨拶、キャンボラ柳原さんの挨拶がありました。

 

【出発~キャンボラ活動開始】

出発式を終えると、生徒達はバスに乗り込み、いよいよ出発です。機材を積んだトラックも出発し、キャンボラは車に分乗して出発しました。

キャンボラは生徒達よりも先に到着して、開村式の準備を始めます。まずはトラックから、本部テント、机、椅子、食材用コンテナ、麦茶作り道具等々、たくさんの機材を降ろします。父キャンボラは本部テントの設営、母キャンボラはお昼のお弁当の準備を行いました。里見野外活動センターは標高700mなので、茗溪学園よりも若干涼しい感じがします。

 

【開村式】

開村式も生徒の進行で行われます。まずは全員で、里見野外活動センターの皆さんへ挨拶をしました。里見野外活動センター長のお話では、昨日まで、毎日夕方に雨が降っていたのこと。これから3日間は、なんとか天気が持ってほしい!と切に願いました。(結果的には3日間雨が降らなかった!)

開村式のあとは、母キャンボラから配布されるお弁当を食べました。その後父キャンボラは、各テントへ銀マットと毛布を配布し、母キャンボラは、各班へ食器と調理道具を配布しました。

 

【食材の準備、麦茶作り】

キャンボラのメインの仕事は、食材の準備と麦茶作り、薪割り、食事の後の片付けの食器、調理道具のチェックです。

母キャンボラは、早朝と午後に配達されてくる食材を受け取り、班ごとにコンテナに分けます。アレルギーのある生徒さんは特別メニューで、特に注意をして表示をして、他メンバーと食材が混ざらないように識別します。また各班に配属されたキャンボラは、特別メニューの生徒さんに、きちんと識別された食材が配布されたか確認、チェックします。父キャンボラは、茗溪学園伝統の麦茶作りを行います。作り方は小野満先生から見せて頂いた1枚の写真が手がかりです。父キャンボラも想像力と自主性を発揮して、試行錯誤を繰り返した結果、1日目で既に、かなりスムーズな手順を確立し、無駄なく、効率よく麦茶作りが進められました。

 

【薪割り体験】

薪割りを始めるにあたって、先生が生徒達を集めて、薪割りのレクチャーがありました。慣れないナタを使って、なかなか薪が硬くて割れなくて、四苦八苦しながら薪と格闘している様子でした。

薪割り作業を始めて早いうちに、生徒の怪我が3件起こってしまいました。短い時間に立て続けに発生したため、その時点ですぐに先生が薪割りの中止を決定しました。キャンボラと先生がついていながら、このような事故が発生してしまい、大変申し訳なく思いました。夜のキャンボラ打ち合わせも、この事故の反省と今後の進め方に大半の時間を使いました。(事故の反省と今後の進め方については【キャンボラ打ち合わせ】をご参照願います。)

 

【夕食準備】

班長会、各係の係会が終わるとさっそく、夕食の準備が始まりました。

食材配布は鐘の音が合図です。鐘の音が鳴ると食事係が本部テントに食材コンテナを取りに来ます。1番最初の鐘の音では、生徒が全員呼ばれたのかと勘違いして、食事係ではない生徒も本部テントに集まってきてしまい、ものすごい人数になりました。近藤先生の「食事係はこんなにたくさんいないでしょ!」の一言で、またぞろぞろと全員テントに戻っていく姿がなんとも微笑ましく、面白かったです。

夕食準備は、第一調理場、第二調理場に固定式かまど、その他移動式かまどに、班ごとに別れて準備します。固定式かまどは、近くに流しがあって便利そうですが、屋根の下の限られた空間で作業するので大混雑して大変そう。移動式かまどの方が外の広いスペースで作業でき、効率的に見えました。

食事準備のスピードは班によって大きく差がありました。薪に火をつけられるかどうかが最初のポイントです。なかなか火がつかない班もあれば、薪の入れ過ぎでかまどから柱のような炎が立っている班もあり、火加減の調整にも時間がかかっていました。後から聞いた話ですが、「1時間飯盒を火にかけても吹きこぼれて来ないので開けてみたら、米を焼いていただけで、水が入っていなかった」という班もあったそうです。(笑)

 

【夕食】

キャンボラは1人ずつ、別々の班にゲストとして招かれます。夕食の準備ができた班は、担当のキャンボラを探して呼びに来てくれます。夕食が出来た順に食べていくので、夕食開始時間は班によってバラバラという事になります。早い班は17時前くらいから夕食をスタートしますし、一番遅い班は18時を過ぎても呼びに来ないので、担当のキャンボラはちょっと心配になって、様子を見に行ったり、周りをウロウロしたりしていました。早い班が食べ終わって後片付けをしていても、まだまだ呼ばれないキャンボラもいました。私の班は、時間も早い上に、ご飯も上手に炊けて、カレーも美味しくできていました。生徒達は、キャンボラに一番見栄え良く盛り付けた料理を出してくれて、素晴らしいおもてなしをしてくれました。どうもありがとう!

 

【キャンボラ打ち合わせ】

1日の終わりにはキャンボラ全員と先生が集まり、今日の振り返りと明日のスケジュール、段取りを確認します。初日の一番の重大な議題は、薪割りの事故でした。怪我をした生徒の状況、事故発生時の状況等の情報を共有し、反省と改善を話し合いました。

明日からの薪割りは、生徒の実施を中止し、キャンボラが替わりに実施するという提案がありました。しかしキャンボラの父母からたくさんの反対意見が出ました。
-中止するのはリスク回避の一つの案ではあるが、それだけでは根本的な解決にならないのではないか

-リスクがあるから触らせないのではなく、危険性を理解させて、安全な使い方を教えるべきではないか

-生徒達にとって、実際に体験する機会を失う事になるのではないか

-リスク回避のためには、きちんと今日の問題点を洗い出し、事実を整理することが大事ではないか

-明らかになった問題点に対して、改善の方策を検討して再チャレンジすべきではないか

このような意見を踏まえ、結果として「道具の危険性と使い方を正しく理解させて、手順と管理体制を整え、安全に使う体験をさせる」ことに決まりました。そのために、

-ナタの数を絞る(今日はナタの数が多すぎて目が配れなかった)

-薪割り場所を決める(今日は好きな場所で行ったので目が配れなかった)

-キャンボラを1人ずつ配置する

といった改善案も決定しました。

 

2日目

【朝食、昼食準備】

朝、本部テントに集合したキャンボラは食材の準備と、麦茶作りを開始しました。

 

生徒は、朝食のフレンチトーストと一緒に、お昼のお弁当であるおにぎりを短時間で同時に作らないといけません。かなりの難易度ですが、心配とは裏腹に全く平気そうでした。驚くことに昨日よりも格段に、段取りよく時間通りにこなしている班が多くなっていました。

 

【オリエンテーリング】

キャンボラからは母キャンボラ18名がオリエンテーリングに参加して、各ポイントの立哨指導、ゴールでのゴミとコンパス回収に協力しました。

生徒達は、班ごとに別れて、時間差でスタートしていきます。班ごとに作成した班旗を携えて、冒険へ旅立つ雰囲気で盛り上がります。キャンボラも盛大に拍手で送り出しました。

 

【早すぎるゴール】

なんと、例年よりも”2時間”も早く、A組のチームが続々とゴールまで戻ってきました。キャンボラチームは拍手で出迎えましたが、先生達は驚きの様子。オリエンテーリングの天才なの?と大絶賛しつつ確認すると、なんと全部のポイントをクリアしている訳ではないことがわかりました。だから早かったのですね。

その後の先生方の対応には、密かに感心しておりました。さすが茗溪学園の先生方、強制的にまだ回っていないポイントを残り2時間で回らせる訳ではありません。生徒に、このままゴールするか、2時間で残ったポイントを回るか、どうしたいのかチームで相談して選択させていました。生徒達が出した結論は「このままゴールする」でした。周りの意見に流されず、自分たちの頭で考え判断した結果です。これは作戦の1つで、”規定のゴール時間より3分遅れると-10点のペナルティ”というルールがあるので、遅れるよりはマシという判断だったのかもしれません。その後、次のチームがゴールするのは1時間以上も経った後でした。

 

【キャンプファイヤー】

母キャンボラがオリエンテーリングで立哨をしている間、父キャンボラ10名は、夜のキャンプファイヤーの準備です。昨日までの打ち合わせですでに作業分担は決まっていました。一致団結して汗だくになって、丸太を運び、やぐら組んでいく重労働のイメージだったからです。これが実際やってみると里見野外活動センターの皆さんの指導の下、30分もかからずにあっと言う間に終わってしまいました。母キャンボラさん達、楽をしてごめんなさい。そのあとは、父キャンボラは再び麦茶作りです。ひたすら作りました。

 

父キャンボラは、キャンプファイヤーの火の管理も担当しました。キャンプファイヤーの進行上、スタートの点火儀式で華々しく火柱が立ち、徐々に火加減をビークに持っていき、しばらくピークのコンディションをキープするのがミッションです。使える道具は、灯油、水が入ったバケツ、追加でくべる薪です。正直、キャンプファイヤーのやぐらの火の調整なんてさっぱりわかりません。大丈夫かな、と心配でいっぱいでしたが、ぶっつけ本番でやりながら、学んでいくしかありません。

 

キャンプファイヤーがスタートすると、森の神に扮した生徒4人がキャンプファイヤーの周りに降りてきます。ナレーション後の点火の儀式はうまくいき、ドッと火柱が立つ完璧なスタートでした。うまくいって良かったと安心したのもつかの間、何か様子がおかしい。火が一向に落ち着かずに、ごうごう燃え盛っていきます。灯油が多すぎたみたいで、このままではピークを維持できず速攻で燃え尽きそうです。水をかけるなど試行錯誤しているうちに徐々に火の調整がわかってきました。これは次のキャンボラに伝えたいスキルです。

 

キャンプファイヤーのクラス対抗パフォーマンスは「素晴らしい」の一言でした。夏休みでなかなか集まれなかったにも関わらず、クラスごとにダンスやミュージカルなどの出し物を考え練習して、そのクオリティの高さとバラエティの豊かさに感心しました。ダンス部によるハイレベルなダンスや、ピアノ弾き語りも素晴らしかったです。特にピアノ演奏は、ライティング不足で楽譜も鍵盤も見えずに演奏が途中で止まってしまった時のこと、タイミング悪く演奏に関係ないことで笑い声が起きてしまったのですが、張り詰めた、緊張した静寂の中、生徒達から「笑うなよ!」「頑張れ!」の声援が起こり、とても感動的でした。この日のキャンボラ打ち合わせでも、先生が「生徒から声援が起こった時は鳥肌がたった」とのコメントをされていました。ピアノ弾き語りは、最後にリベンジでもう一回チャレンジして、完璧な演奏を披露していました。

 

フォークダンスのジェンカでは、チームで列を作り、先頭の人がじゃんけんをして、負けたチームは列の後ろにつきます。だんだんと長蛇の列が出来上がりました。生徒達はとても楽しそうです。その後はマイムマイムです。生徒達が火に近づき過ぎないよう、キャンボラが内側の輪になりましたが、曲に合わせて後方から生徒達の集団がすごい勢いで迫ってくるのに、前方はキャンプファイヤーの火があって、キャンボラチームは逃げ場の無い恐怖に襲われました。生徒達だけでなく父母キャンボラチームもとても楽しそうでした。

 

その後、全員での大合唱がありました。だんだん火の勢いが落ち着いてきたたき火を囲んで、とてもいい雰囲気で、なんだか青春でした。こんな素敵な仲間達と一緒に学園生活を送っているのだと感じることができただけでも、キャンボラに参加して良かったと思いました。

 

3日目

【オリエンテーリング結果発表】

上位入賞の4チームのうち、3チームがF組で、クラス優勝もF組でした。ゴールは遅くてもコツコツ全てのポイントを回ったのが勝因だったようです。商品はフルーツの缶詰。勝利したチームは、朝食が一品増えていました。

 

【後片付け】

3日目は、特に火を起こして作る料理は無く、今日の作業は後片付けがメインです。しかし、3日間で一番天気が良く、一番疲れたような気がします。暑かったからか麦茶も良く売れました。学校に帰ってから解散式が行われ、解散となりました。

 

【キャンボラを体験して】

ざっと時系列にキャンボラ体験談をまとめましたが、雰囲気が伝わりましたでしょうか? 私自身、生徒達同士の会話や普段の雰囲気を感じることができ、またいろいろな経歴、職業のキャンボラと濃厚な3日間を過ごすことができて、とても良いつながりができました。私以外のキャンボラも、もっともっといろいろなエピソードをお持ちだと思います。ぜひお近くのキャンボラから楽しい体験談を聞かせてもらってください。

茗溪学園の先生方は、本当に生徒を怒らない、怒鳴らない、静かにアドバイスをすることに徹していて素晴らしいと思いました。このようにして生徒の自主性が育まれるのかと感心しました。来年、中学2年生になると筑波山キャンプが予定されています。仕事をされている保護者の方々が平日に休みを取ることは難しいとは思いますが、今回里見キャンプに参加させてもらって、苦労して休みを取った価値があると思いました。ぜひ今から休暇取得計画を立てて、キャンボラに参加されてみてはいかがでしょうか。