茗溪学園では毎年秋に茨城県つくば美術館にて美術展を開催しています。この美術展は生徒の作品をはじめ、先生方や父母の作品も展示されています。美術展に出品された方からご寄稿いただきました。
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阿部 美幸
芸術鑑賞とは無縁だった私が、勢いで茗溪美術展に出品し、そこで感じたことをお伝えします。
きっかけは一通のメール
2018年9月初旬、学校から届いた「【件名】第37回茗溪学園美術展への作品出品のお願い」というメールの中の一文に目が止まりました。
“今年も父母の方々の美術作品を募集いたします。”
けれども、そのときは「茗溪の美術展って、父母も出展できるんだ」と、さほど気にも留めず。
2週間後に再び出品募集のメールが届き、そこにはこう書かれていました。
“御祖父母、御兄弟、御親戚などでももちろん大丈夫です。”
ここで初めて、「出品する人が少ないのかな。私が出品してもいいのかな。」という気持ちになりました。申し込みは9月30日まで。申し込もうと思いつつ、まだこの段階では、おのれの絵を世間にさらすことへの恥ずかしさの方が勝っていました。
背中を押してくれた記事との出会い
申し込みを迷い続けていたある日、偶然茗溪学園父母会ホームページ(https://meikeifubo.org/)に掲載された、水見先生(美術科主任)へのインタビュー記事と出会いました。記事には「とりあえず作品を思い切って出展していただけたら」という言葉があり、まるで自分へのエールのようにも思え、出品の申し込みを決めました。
申し込み後は、出品する絵を選んだり、作品名を考えたりして、10月中旬に出品票を提出。展示の設営を見てみたいという好奇心から、作品は11月5日に直接搬入することにしました。
いよいよ搬入!
11月5日の搬入日の朝、つくば美術館周辺をうろつく私。美術館休館日のため、入り口がわからない…。おたおたする私に、通りかかった茗溪学園OBの方が声を掛けてくださり、無事入館できました。
初めて入った館内は、天井が高く、想像よりも広い空間でした。中ではすでに作品の運搬、展示などの設営準備が始まっており、皆がテキパキ動いていて、美術展を築き上げるというエネルギーを感じました。まさに「生徒・父母・教職員の三位一体の展覧会」! 搬入のついでにちょっとだけ手伝おうという考えを反省し、次はあのエネルギーの中の一人になろうと思いました。
いざ、美術展へ!
最終日の11月11日、搬出もかねて午後に美術館へ。入り口付近には書道の作品が展示されており、ちょうど先生方が冗談を交えながら、作品の見所を紹介されていました。
受付をし、場内に入ると、たくさんの作品に圧倒されました。が、まずは我が子の作品探し。子どもの水彩画をファイルの中にみつけ、「ガラスの質感」や「陰影の表現」が上手に描けていることに驚きました。小学校時代と比べて、筆遣いもかなり丁寧になったように感じました。
自分の作品は最後のお楽しみにして、次はフロアをひと周り。生徒達による「鉛筆画」「油絵」「紙のレリーフ」「陶芸」のほか、「写真」や「個人課題研究」など、さまざまなテーマやモチーフの作品が並んでいました。卒業生の作品は「刀」や「ドレス」など、ジャンルも多岐にわたっていました。
会場内ではギャラリートークが始まり、各先生方がご自身の作品についてご説明されていました。
それにしてもこれだけの展示を1日で準備するのは大変だったろうなぁと改めて感じました。
自分の作品を見る
いよいよ自分の作品へ。額の下には学校側で用意していただいた、作品名と名前が書かれた「札」があり、それだけでも立派な作品に見えちゃいました。じっくり眺めていると、思うように描けない私に、「うまく描こうとしなくていいの。筆の勢いが大切。」と諭してくれた亡き師匠の言葉や、絵の具をとく感触、一本の線を描くむずかしさ、描き上げたときのうれしさなど、描いていたときの光景が浮かんできました。
そして次回にむけて
自分の絵と向き合う自信がなかった私が、今回出品したことで「次は新作を出品しようかな〜」などと思っています。いろいろな作品から、刺激を受け、パワーをいただいたおかげかもしれません。
今回出品を見送った方、次回はぜひ出品しませんか?まだ茗溪学園美術展に行ったことがない方、機会がありましたら、ぜひ訪れて、茗溪学園美術教育に触れてみてくださいね。