「思い、考え、伝える”術”」~寮父母会より~

今回は、篠原正幸寮父母会会長、そして寮生父母の寄稿により、茗溪学園の寮生活の一端と寮生父母の思いをご紹介いたします。

「学寮」は茗溪学園の特徴の一つです。親の立場から「思い、考え、伝える “術” 」として、寮父母会の活動内容を掲載することにより、広く多くの方々に、茗溪学園のもう一つの特徴である「寮生活」を知って頂ければと思います。     (平成24年度 寮父母会 会長 篠原 正幸)

 

〈 新入寮生父母歓迎会  36回生(中2)父母 

入学式が行われた4月8日(日)の午後4時より、茗溪学園食堂にて、平成24年度新入寮生父母歓迎会が行われました。25名の中高新入生のご家族36名、 そして、柴田校長、藤嶋学寮長をはじめとするハウスマスターの先生方、寮父母会長、寮の役員に加えて有志の父母も参加し、和やかな雰囲気の中で親睦を深めることができました。

各テーブルでは様々な質問などがされ、それに応えるハウスマスターや在寮生の保護者からの経験談に、時には笑い声も高らかに歓談される姿に、新入寮生のご父母の不安が少しは安心に変わったのではないかと思えるひとときでした。

ちょうど1年前、新入寮生の親という立場で歓迎会に参加しました。入学式で見せた子供たちの初々しくも頼もしい制服姿に、喜びを感じたのは言うまでもありませんが、子供たちの顔からは新しい学校生活への期待感だけでなく、親元を離れての寮生活への不安が少し垣間見え、親の方も一抹の不安と寂しさを覚えたものです。そんな中、開催された歓迎会では、在寮生の保護者や先生方からいろいろなお話を伺うことができ、不安から安心へと気持ちも少し楽になり帰路につ くことができ、まさに今この時、必要と感じるありがたい歓迎会だったことを思い出しました。

この歓迎会が、子供たちの寮生活のスタートにあたってのサポートになればと願っております。

 

〈 帰寮激励会 餅つき  36回生(中2)父母 

朝はやや肌寒くも、さわやかなお天気でした。(激励会が行われた5月6日(日)の夕方、つくば市に大きな竜巻がおこり、甚大な被害をもたらしたのですが、そんなことはまだ知る由もありませんでした…)

毎年恒例の激励会。薄暗い工作室の隅に、もち米が蒸気をもうもうとあげ、石臼に移されます。学寮長藤嶋先生の掛け声のもと、いよいよ餅つきの始まりです。 待ちきれず、中学男子はお箸と紙皿をもってウロウロ。できあがった先から、つぎつぎになくなっていきます。つきたてのお餅をほおばりながら、父母同志も ゴールデンウィークの間の様子や互いの近況など、話に花が咲きます。お餅は、例年通りあんこ、きな粉、いそべ、大根おろし、そして黒ゴマに味付けされまし た。とくに黒ゴマは、ねっとりとツヤが出るまでするのが大変で、すっていただいた方の翌日の筋肉痛を心配しないではいられませんでした…。女子は餅こね、 男子は順番に餅つき隊に参加です。豪快派、慎重派とつき方にも個性がでます。

この交流会は、唯一先生方、寮生、父母が入り混じって活動で きるイベントです。学年も越えてざっくばらんに話をすることで、日頃の寮生活の不安や心配が解決されれば、何よりの収穫です。特に中学1年生は、GWの長期外泊後、少し緊張も解け精神的に疲れもくる時期です。これから先輩と同室になることで不安もあることでしょう。でもお餅を頬張る隣の1年生にインタ ビューしたところ「はやく寮に帰りたかった!」と明るい笑顔で答えてくれ、胸をなでおろしました。これからが寮生活の本番ですね。

私事ですが、息子は36K、2年生になりました。まさに「若いころの苦労は買ってでもしろ」という言葉通りの1年間でした。そして最近やっとですが、買った苦労が、少しずつ「成長」という形の見えないものに変わってきているのを感じます。不安はまだまだありますが、これからも応援していきたいと思います。

開催以来、中心になってご助力いただいている藤嶋学寮長、またお忙しい中ご参加いただいたハウスマスターの先生方、そして、役員はじめその他お手伝いいただいた寮生父母の皆さま、今回も無事楽しく会を終えられたことに心から感謝いたします。これからも、寮生たちが餅のように粘り強く、つけばつくほど艶ので るような人生を築いていけるよう、協力し合っていきましょう!

  

 

〈 寮の宿泊体験イベント  35回生(中3)父母 

今年度の寮父母会総会は、父母会総会同日の5月12日(土)に開催されまして、おかげで参加できた方が多いように感じました。また、初めての企画として、寮の宿泊体験も実施されました。

寮父母会総会の後、管理栄養士の先生のお話と試食会、フロアー別の寮父母の懇親会がありました。今年度の中学男子は1フロアーで、一斉に並んだ中学生とア ドバイザーの先輩の自己紹介がありました。高学年のお母様方から中1男子たちの自己紹介に『かわいい』との声が上がっていました。まだ幼さが残るかわいら しさで頑張って寮で生活していることに胸が熱くなるとともに、先生やアドバイザーの先輩方のご苦労がしのばれました。中2以上の生徒たちは、それぞれいい先輩になりたいとの抱負を語ってくれまして、成長ぶりを頼もしく感じました。

藤嶋先生、ハウスマスターの廣本先生からのお話があり、寮での生活の様子を伺いました。現在、携帯音楽プレイヤーの持ち込みは許可されていますが、iPodに映画やゲームをダウンロードしてゲーム機同様になってい ることを伺い、ご指導の難しさを知るとともに、今後禁止品にならないよう、子供たち各自の自己管理と親のチェックの必要性を感じました。

懇親会解散後、宿泊予定の父母17名は寮宿泊のイベントに参加しました。翌週から短期入寮もありご準備も大変だったそうで、今後も継続実施できるかどうかは不明だそうです。

寮生と同じお風呂を使わせていただき(男子生徒の母親たちは、普段男子が使用しているお風呂も覗かせていただきました)、藤嶋先生と倉持先生を囲んで茶話会があり ました。保護者の方々の茗溪と寮に対する熱い想いを和気あいあいと語り合いました。それぞれのお部屋でも深夜までお話が盛り上がったようですが、翌朝は寮生と同じく6時に起き、寮生のみなさんと一緒に朝食をいただき解散しました。

子供たちの普段の生活を少しですが体験でき、また、普段交流の少ない他学年の保護者の方々とお話もできまして、とても有意義な企画でした。今回の宿泊のためにご尽力くださいました先生と役員の方々には、心より感謝しています。どうもありがとうございました。

  

 

〈 寮父母会総会懇親会  34回生(高1)父母 

私「今度の授業参観、俺が行くよ。」

娘「大丈夫。無理して来なくっていいから。」

妻「何言ってるの。今年、寮の役員やってて、懇親会の記事書かなきゃならないんだから。」

そんなわけで、郡山発6時11分の朝イチの新幹線に乗るために、会津若松の自宅を出たのは朝の5時前。今年は、5月12日(土)の授業参観・父母会総会の日に合わせて、寮父母会総会・懇親会を設定していただいたおかげで、学校の行事にも寮の行事にも出席することができました。

新幹線の中から、右手のはるかかなたに富士山、左手前方に東京スカイツリーを見ながら東京駅に着くと、秋葉原からTXに飛び乗り、何かイベントでもあるかのような リュックを背負った登山客の群れとともにつくば駅で降りました。9時ちょっと過ぎには、茗溪に到着することができましたので、1時限目の途中から授業参観もしました。英語も古典も、懐かしいなあと感じながら、頭の中では、「3時半に第二食堂集合」とつぶやいていました。

3時半に第二食堂に行くと、もうすでに表示はされていて、学年ごとに名札を並べる作業が始まっていました。そこで、お手伝いをしようと思ったのですが、手を出すとかえって邪魔になるくらいでしたので(さすが聞きしに優る茗溪の保護者!)、飲み物を冷蔵庫に運ぶ作業をしました。(実際に私がした作業はこれだけでした)

あえて試食にも触れておきますと、メニューの豊富さ(種類)にびっくり(あるお母さま談)。自分が毎日の献立を考えるのに四苦八苦(面倒くさい)しているのに、栄養やカロリーも考えてこれだけの数を考えてくださっているのはすごいし、ありがたい、だそうです。

懇親会のことを書くことを忘れていましたが、忘れるくらい特に問題がないそうで(ニクライ先生による)、そのことは、我々に自己紹介するときの子供たちの態度や表情、言葉遣いにも表れていました。

数年前に買った私のズボンがきつくなっていたことと、入学時に買った娘の制服が体にぴったり合っていたことから、二人の成長を感じることができた一日でした。私の成長はともかく、娘たちの成長をこれからもよろしくお願いします、の言葉で、懇親会の報告とさせていただきます。

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