高1(42K)職業観セミナー(父母による職業分野別講演会):父母講師が伝える「職業観」

2020年9月5日に、高校1年生を対象とした職業観セミナーが開催されました。セミナーで講師をしてくださった父母の皆さんや生徒たちから寄せられた感想をもとに、報告をまとめましたのでご紹介します。セミナーが始まる前に、先生から「このセミナーは職業セミナーではなく、職業「観」セミナーです。皆さんの職業を通じて獲得した人生観を伝えてください。」とお話があったのですが、無事に職業観を伝えることができたでしょうか。

(報告:42K父母会/高橋浩)

コロナ禍でのセミナー開催

職業観セミナーは、様々な分野で働いている父母が協力して、その職について生徒に話をすることで、生徒が将来について考えるきっかけを与えるための進路行事のひとつとして、毎年開催されています。今年度はCOVID-19のために、例年とは違ったいくつかの配慮がありました。まず、講義形式は、学校内で対面講義、学校内(生徒とは別教室)からのオンライン講義、自宅等からのオンライン講義の3つの選択肢を用意していただきました。実際には、ほとんどの講師は生徒の反応を感じやすいという理由から対面講義を実施しましたが、マスク着用は言うまでも無く、校舎へ立ち入るときのサーモセンサーによる体温測定や手指の消毒、さらに教室の換気や使用機材の消毒といった措置が執られており、特に不安は感じませんでした。学年全体での講師紹介が無かったため、講師は生徒の案内で控室(会議室)から各教室へ向かいました。キャンプボランティアのときの食事も、同じように生徒が迎えに来てくれたことが思い出されました。

オンラインでの講義では、前もって接続テストを行うなど、準備に余念がありませんでしたが、カメラで生徒の様子を見ながら講義ができるようにしていたものの、やや一方的な講義となってしまったようで、双方向での盛り上がりを実現するために、さらに一工夫が必要であったようです。また、海外からのオンライン講義もあって、グローバルな拡がりも見せていました。

対面とオンラインを合わせて31名の父母が講師となって、30の講義(分科会)が行われました(お二人が講師を務めた分科会がひとつありました)。その職業分野は、金融、法務、公務員、国連、国際協力、貿易、警察、運輸、製造業、建築、医療、教育、ホテル業、マスコミ、企画制作、スポーツ、福祉、理系研究職、第三セクターと多岐にわたっていました。こんなに多くの職業の父母が協力してセミナーが行われたことに驚くばかりで、こういったところにも茗溪らしさが出ているのだと感じました。後日、父母の方を通じて聞いたのですが、身近な(知っている)父母の講義だったので、話が聞きやすかったという生徒からの感想もあって、父母による講義の良い面があらわれていたようです。講義をした立場からすると、知り合いのお子さんの前で話すのは、少し、こそばゆい感じがしましたが。

分科会での講義(生徒の感想・講師の感想)

それぞれの分科会では、生徒に司会や記録、オンライン講義のときのPC操作といった役割分担がされていて、生徒たちの進行でセミナーが行われました。50分間という限られた時間ではありましたが、模型や小物を使ったり、写真や動画を使ったりして説明をしたり、わんちゃんを連れてきたりと、それぞれの講師ごとに工夫を凝らして講義を行いました。講師によって内容にばらつきがあったことと思いますが、どういった仕事をしているのかや、進路選択や就職するきっかけは何だったのかといった話をしました。時間をオーバーしてしまうほど質問が多くあった分科会もあり、生徒たちの反応も上々であったと思います。講師陣からの感想にも、みんな真剣に聞いてくれた。非常にまじめに熱心に聞いてくれました。鋭い質問もあり楽しめました。相づちを打ってくれて話しやすかったです。とあり、生徒たちの真剣に取り組む姿勢が感じ取れるものでした。講義とは直接関係のないことですが、講師の送迎や役割分担といったことも、生徒たちの成長の一助になっているのだと感じました。

後日に作成されたセミナーの報告書にあった生徒たちの感想を見ますと、セミナー前には、職業について漠然としたイメージや、なんとなくカッコ良さそうというイメージしか持っていなかったが、講義を聞いて、どんな仕事なのかを知ることができたとか、とても厳しい仕事だったので驚いた。大変な仕事なのだと思った。それぞれの仕事の重要さがわかった。多くの人が助け合って仕事をしていることがわかった。その職業を目指してみたいと思った。将来を考えるきっかけとなった。将来、やりがいを感じることができる自分が好きだといえる職業に就きたいと思った。視野が広がった。これから多くのことにチャレンジしたい。といった職業ごとの実状への理解や、将来や今後に関することが書かれていて、セミナーで多くのことを感じ取ってくれたようでうれしい限りです。講師からも、なぜその仕事に就いたのか、どういったことに誇りや生きがいを感じているのか、仕事のどういったことを生徒たちに伝えたいのかなどについて再確認することになったといった感想が寄せられ、父母自身も改めて自分自身の仕事を見つめ直す良い機会となったようです。

2回の50分の分科会(講師によっては1回)から戻ってきた講師たちからは、「講義をする大変さが身にしみた。先生たちを尊敬します。」といった声も聞こえ、先生方への感謝も再確認したセミナーでした。

42k職業観セミナー(父母講師らがオンラインや対面形式で講義を行う様子)