茗溪学園 父母会

中2 (43K) 筑波山キャンプ 父母ボランティア体験記

毎年中学2年生が行っている学園から20km徒歩にて筑波山麓まで移動の後、3泊4日のテント生活を行なう恒例の筑波山キャンプに今年も父母ボランティアとして参加されたお父様からご寄稿いただきました。

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石井寛人  (中学2年生:43回生)

■ はじめに
茗溪学園では最後のキャンプ、中学2年生の「筑波山キャンプ」にボランティアとして参加いたしました。生徒たちが知力・体力・若干の忍耐力を振り絞り仲間と一緒に協力しながら過ごした4日間だったと思いました。茗溪学園の良さは頭ではわかっていたものの、私が授業を受け、学園生活を過ごしているわけではなかったので、今までその良さを実感できなかったのですが、今回参加させていただき、それを実感することが出来ました。つたない報告ですが、ご覧いただければ幸いです。

10月に3泊4日で、茨城県立中央青年の家にて中学2年生のキャンプにボランティアとして参加してきました。キャンプボランティアは1年生の時に参加したかったものの、都合が合わず見送ったため初めての参加で緊張気味の参加となりました。

■1日目 集合・班分け
快晴!!とはいきませんが、そこそこの晴れ。雨の日のキャンプは経験上楽しめないし、何よりもこれから歩いていく生徒たちが歩く道のりを考えると晴れてくれて良かったと思いました。
父母のボランティアは生徒が校庭に集合するよりも前に会議室に集まります。今回初めてのキャンプボランティアだったのですが、里見キャンプのボランティア参加の方々のアドバイス等を聞きながら、父母ボランティアがやらねばならない役割分担をどんどん決めていきます。
父母ボランティアの役割分担は色々とあります。例えば、キャンプ場まで子供たちは20km超の長い道のりを歩いていくのですが、スマホ等を取り上げられ紙の地図だけでキャンプ場を目指します。しかし、地図をうまく読めずに途中で道に迷ってしまう可能性があります。そのため、父母ボランティアでは要所要所にて待ち構えこれ以上進んではダメという「立哨当番」をするのですが、これをどこでやるか?自分たちは歩いたこともない道のりなのに、どこで子供たちが間違えてしまうだろうか?等を想定しながら「勘」で場所を選んでいきます。
他にもいろいろなボランティアの役割はあるのですが、それを一通り決めた後、子供たちと一緒に出発式に参加します。校長先生からは「筑波山キャンプは伝統があり、先輩方の通った「つくばの原風景」を生徒の皆さんも感じ取ってください」とのことでした。

<出発式の様子>

出発式が終わってもなかなか出発せずに、ずいぶんとゆっくりした出発だなぁ、と思ったところ5分の時間差を設定されて出発しているとのことでした。同時に出発してしまうと前の班についていくだけになってしまい、地図を片手に歩いていく意味がなくなるからだそうです。最初に携帯電話を取り上げられたとありましたが、もし道中でトラブル(けがをした、体調不良等)が起きた時のためにガラケーと絆創膏・ガーゼ・ワセリン等の応急処置セットが渡されており、万が一に備えられた安全第一を感じ取ることができました。
父母ボランティアは子供たちと一緒に歩いていくわけではなく、先回りして準備です。20km歩くとはいえ速い班は14時には到着しますので、それまでに子供達が止まるテント・毛布・シーツ、教員用の本部テント等をトラックから荷下ろしし、食材配布用テントや本部テントの設営、麦茶の準備(薪割り・火起こし含む)、食材の受け取り等を行った後に立哨当番は子供たちを待ち受けます。

 


<各班の食材(班ごとに1つの箱)>

親はゴールに近いポイントで待ち受けますが、子供たちは相当歩いていることもあり、疲れている様子。とはいえ、班が分裂せず、場合によっては近くの班と合流しながら進む姿に逞しさを覚えました。ごめん、親はここがどこかは教えられない(答えを教えてはいけない)んだけど、なんでみんな聞いてくるかなぁ…

ゴールした子供たちは、少し休んだ後は自分達でテント・シーツ・毛布を受け取り設営開始です。普段は親と一緒に行くからか、テントを建てた事がない子も多く夕暮れ時になっても建っていない班も。そうこうしているうちにキャンプの開村式が始まり、その後は食材配布→夕食づくりと続きますので、お父さんたちの出番です。どう考えてもこれでは眠れない、と思われるテント(主に女子テント)を見つけては手直しです。暗くなってきてライトを点けながらの作業となりました。

 


<本気モードのお父さん達の手直し>

■2日目 巡検って何?
あいにくの雨。今日は理科と社会の巡検ですが、スマホで天気予報とにらめっこ。
今日の昼食は朝から作るおにぎりを準備しないといけませんから、父ボランティアは雨の中薪割りを行います。
雨によって多少薪が湿ってしまい、割りにくくなり難儀しましたが、子供たちの食事準備の時間には十分に足りる薪が準備できました。

 


<朝の薪割り>

 

<これだけ作っても一瞬で無くなります>

あいにくの雨がなかなか止まず、理科と社会の巡検が当初の予定より少しだけ遅れて開始。
「巡検」というのはなかなか聞かない言葉ですが、地理・地学の実地調査、現地調査の事のようです。理科の巡検では、雪入ふれあいの里公園までの山道を登ることになり、昨日に引き続いた登山となっていましたが、子供たちの驚異的な回復力によって前日の疲れを感じさせない行動でした。

 


<山を登る生徒たち>

たどり着いた雪入ふれあいの里公園から山を登りながら、筑波山の岩石を見分けて筑波山がどのようにできたかの調査や、また放射線量が多いらしく測定器で測定・記録していました。
堆積岩・火成岩がどのようにできあがって、それが地表に現れた時にはどのような石として見えるか?については子供と一緒に聞き、大人になってからあらためて勉強になりました。

 


<どんな石か絵を書いています>

 

<山頂の湖近くの地層断面について教えてもらっています>

社会の巡検では、雪入地区の地図を見ながら「果樹園」の表記を見て一体何の「果樹」なのか実際に見て調べていました。主に梨や特に柿が多かったのですが、私が見つけたのは「栗」でした。

 


<私が見つけた「栗」林>

理科・社会の巡検を通して「机の上での勉強」に限らず実際の岩石や地層を見て理解を深めることや、地図に存在する実際の果樹園を見ることで今後、地図を見た時に想像できるようになることは、若いうちには得難い経験だと思いました。

■3日目 オリエンテーリング、キャンプファイヤー
前日の朝と変わって逆に快晴の1日。班ごとにオリエンテーリングを実施。
オリエンテーリングとは渡された地図に番号で書かれたポイントまで行き、そこに設置されたポストと呼ばれる標識を見つけ、何が書かれているかを調べてくる競技です。

 


<真ん中にポストがあります>

初日に20km歩くスタートと同じように班ごとに時間差を設けてスタート。最初に昼食をとるランチポイントまで歩いていくのですがそれだけでも結構な距離。初日・2日目とさんざん歩いたが今回も歩くことが多く、大変だなぁと思いながら父母ボランティアはエアコンの効いた車で移動を(笑)。

 


<ランチポイントは大渋滞(最低30分は休憩)>

いくつかのポイントを歩いてみたのですが、すいすいと進んでいる班もあれば、なかなか次のポイントを見つけられない班もいて手助けしてあげたい気持ちにもなりましたが、このキャンプの父母ボランティアの鉄則「教えない、手伝わない、見守る」を守り「あぁ、そっちじゃない気がするなぁ」と見送りました。

時間制限があるオリエンテーリングはスタート地点がゴールになります。最後に山の麓(キャンプ場の下)にてチェックポイントがあり、そこを通過するとあとはゴールまで山を登るだけですが、あっという間に上る班(どう考えても走って登っている)もいて、この3日間で相当歩き回ったのに若いからか体力があるなぁ、感心しました。

オリエンテーリングが終わったら夕食づくり。夕食づくりといえば、熱源ということで薪を子供たちが取りに来るのですが、中には薪割りを自分でやる生徒も。ただ、薪割りも慣れていないからか危なっかしく、さすがに危険防止のためにやり方を教えてあげると、すぐに上達し薪を割る音が山の中に響いていました。

夕食後は片づけをしてからキャンプファイヤー。ボランティアの中で普段から火を扱うのが得意な方が、キャンプファイヤーは「うまく消してあげないと」燃え尽きてキャンプファイヤーではなく「焚火」になってしまうとのことで、タイミングを見て上手に少しずつ水をかけて調整をしていました。

 

<キャンプファイヤーの始まり>

キャンプファイヤーでの出し物は各クラス+部活や有志グループごとにやっていたのですが、子供たちがいきいきとダンス・体操や歌に取り組んでいたのが非常に印象的でした。翻って自分の公立中学2年生の時の事を思い出してみると、真面目に取り組むことに恥じらいを感じていたり、ましてやダンスを披露するなんてもってのほか、と思っていました。3日間、茗溪学園からここに来るまでの徒歩や2日目の巡検、3日目のオリエンテーリングで相当の歩数を歩いて満身創痍のはずなのに仲間と一緒に全員で、誰1人茶化すこともなく一生懸命に取り組んでいる姿を見て、とても良い教育を受け真っすぐに育っているというのを実感することが出来ました。
父母ボランティアでも恒例の出し物「エビカニックス」をキャンプに来てから先生たちに教えていただき覚え、当日は先生たちと一緒に行いました。
キャンプファイヤーの最後に学年主任の中村先生から「キャンプファイヤーのように上昇気流で成長していってほしい」「火は赤いだけでなく、黄色やオレンジ等いくつもの色がある。みんながお互いに少しずつ違うように多様性の中で認め合ってほしい」というお話があったのですが、まさに今回のキャンプを象徴するように思いました。子供たちは長い時間を仲間達と同じ時間を過ごし、目的を達成するために協力しあう。そういう事を多感な時期にすることで大人になった時の人格の基礎が出来上がっていくのではないかと思いました。

■4日目 片づけ
いよいよ最終日。片づけするにも初日にちゃんと建たなかったテントを畳めるわけもなく、お父さん達の出番ふたたび!ペグを抜くのが大変だということを女子たちは実感できたかな?
来た時よりもキレイにして帰るという方針のもと、テント上の芝生の上を生徒たちが横並びになりローラー的にごみ拾いします。ゴミ1つない状態にして閉村式→学校へ帰りました。

■子供たちの成長
1年生の時のキャンプに参加していないので、以前がどうだったというのは、私は実感出来なかったのですが、1年生の時のキャンプから参加されている父母の方からお話を聞くと「火起こし・調理がちゃんとできていて食事にありつけた」「出し物が本格的で一生懸命に練習してきたのが分かった」「父母ボランティアにも先生にも思うことをちゃんと伝えられていて成長していることが実感できた」とのことでした。私も子供が自宅で見られないような社会性というか、新たな一面を垣間見ることが出来て、行ってよかったと思いました。

■最後に
茗溪キャンプは「伝統の」という冠が付くほど創立間もなく始まったと聞いていますが、このような行事は子供たちが大きくなった時の他者との協働にプラスに働くであろう良い行事だと思いました。
このボランティアを最後に子供たちの大きなイベントに寄り添う事はできなくなり残念ですが、先生たちが子供たちを真正面から見て真剣に指導している姿等を見ることができ、本当に良い学校だなぁと実感いたしました。
私は、キャンプが何となく好きで良い機会だから行ってみよう!と思って参加しましたが、もしもお子さんが1年・2年でキャンプボランティアに少しでも興味を持ったのであれば参加されることを、とてもお勧めします。滅多にない機会ですし、いろいろと得るものがあります。