[2012年度]彩の国キャンプ、父母ボランティア体験記

2012年9月10日から12日まで37回生(1年生)の彩の国キャンプが行われました。茨城県の里美から埼玉県秩父にキャンプの場を移して2年目。今年もキャンプボランティアとして参加いただいた父母の方から体験記をお寄せいただきました。

燃える火で作った「希望」の文字
和田 富美子(37回生父母)

「茗溪学園のキャンプボランテイアは絶対お勧めよ」と、何人の先輩保護者の方にお誘いをいただいたことでしょうか。我が家は一人っ子なので、子育て全てが最初 で最後。いつも新鮮な気持ちでいられる反面、反省点を次の子に活かすことができないという残念な点もあります。できるだけ学校行事に参加し、子供たちの普 段の表情や取り巻く環境を近くで見てみたいと思い、彩の国キャンプボランテイアに申し込みをしました。

初日、まだ残暑厳しい太陽が照りつける学校で出発式が行われ、クラス毎にバスに乗り込んでいきました。目的地は休憩も含めて4時間あまりの秩父、日高です。到着後おにぎり弁当をいただき、生徒は開村式、父ボランテイアは本部テントの設営や大きな荷物の運搬、母ボランテイアは班ごとに使う食器の点検、配布、夕食食材の分配など手際よく進めま す。その後、子供たちはすぐに夕食の準備に取りかかりますが、時間はまだ15時。しかし、ここはキャンプ場。日が沈めば真っ暗になるし、テレビもゲームもお風呂もありません。子供たちも、私たちも、非日常の中で、期待と少しの不安とが入り交じった気持ちで炊事場へ移動しました。

男女のグループでそれぞれの担当が決まっていたようですが、初回はなかなか手順がつかめずにいたようです。食材が準備できる前に、かまどに束で入れた薪が炎 高くあがり、あっという間に火種がなくなりかけたり、ちぎった新聞紙を火にくべ、灰がふわふわと舞い上がり、お鍋の中に降り注ぐことも経験できました。ボランテイアはゲストとして担当班の作った食事をいただけるのですが、全員が回を重ねる度に要領を得て、役割を果たせるようになったおかげで、上げ膳据え膳 の三日間を過ごすことができました。口を出さず、手を出さず、見守ることを全ての行程で心にとめてきましたが、本当に不安になることは一度もなかったよう に思います。グループで相談し行動。改善すべきところは次回さらなる工夫。それらが全て学びとなり、人間力を高めていく経験になるのだと、あらためて確信しました。

初日の夜は満天の夜空に輝く星空観察。流れ星も見ることができました。二日目は夕食の片付けが終わった頃に、土砂降りの雨と、いまにも近くに落ちそうな雷で、自然の洗礼も受ける事ができました。
キャンプファイヤーは日中オリエンテーリングで歩き回った疲れもないのか、皆心をひとつにして大いに盛り上がり、肩に手をのせジェンカを踊ったり、他の発表者や先生の演奏するギター、合唱に大きな拍手で声援を送っていました。

必ずしも居心地の良い三日間ではなかったと思いますが、このキャンプを通して、しっかり全員が37Kの自覚を持ち、今を一生懸命過ごす仲間になったのだと胸 が熱くなりました。最後に赤々と燃える火で形作った言葉は「希望」でした。一人一人のキラキラした瞳にしっかりと焼き付いたと思います。

あつい情熱、深い愛情、先を見据えた忍耐でご指導下さった先生方には心より感謝申し上げます。ボランテイア保護者同士の親交も深まり、心強い仲間ができました。来年度は、私が「茗溪のキャンプボランテイアは絶対に参加した方が良いわよ」と、お勧めしたいと思います。

一丸となった三日間

藤崎 郁子(37回生父母)

三年前、上の子が中1でキャンプに参加した時は、下の娘が幼かったこともあり、ボランティアとして参加できず、今回、満を持しての参加となりました。具体的にお手伝いの内容がわからない中での参加は少し不安でしたが、事前の顔合わせで「父兄も楽しみましょう!」とのお話に、期待と少しの開き直りの気持ちを持って参加しました。

子どもたちが作った30班の班旗

 

37回生彩の国キャンプのスローガンとして、
「さ」いごまで…途中で投げ出さないで!
「い」ちがんとなって
「の」りこえよう…協力して乗り越えよう!
「く」じけずに…あきらめず!
「に」こにこ笑顔…楽しく!
がありました。三日間で本当に良くこのスローガンを実践していたのではないかと思います。
食事作りでの火起こしで、なかなかうまく火を起こせなかった班も投げ出すことなく、根気よく薪をくべていました。また、担当にまかせっきりにすることなく、同じ班の仲間や他の班の子が火を分けている様子をほほえましく思いました。
オリエンテーリングでは、班で一丸となりひとつでも多くのポイントに到達しようと、意気揚々と歩いている姿がたくましく、「協力して乗り越えよう!」のスローガンにぴったりでした。
二日目の夕食が済んだ頃から雨が降り出し、雨脚が強くなったなかでの片付けでしたが、最後まで綺麗にし、ずぶぬれになりながら器材を返しに来てくれた子供たちにはとても感心しました。

「希望」の火文字

 

そして「一丸となって」…を一番強く実感したのはキャンプファイヤーです。「希望」と浮かび上がった火文字一点を見つめている子供たち全員の姿に、37Kが団結したことを感じ、胸が熱くなりました。
解散式ではこの三日間で逞しく成長した姿があらわれていました。
こ うやって茗溪生らしくなっていくのでしょう。来年の筑波山キャンプが楽しみです。そしてこの三日間何より印象に残ったのは、皆がとても楽しそうにいきいき と過ごしていたことです。そんな様子を見ることができ、ボランティアに参加させていただいて本当に良かったと思っています。先生方、ボランティアの父兄の 方々、そして生徒たち…本当に有難うございました。

彩の国キャンプの準備「技術編」

軽部 守彦(37回生父母)

初めてキャンプに参加する生徒を持つ父母の皆さんは、準備について大変ご心配だと思います。今回、キャンプボランティアとして参加してきましたので、ご報告を兼ねてお知らせしたいと思います。

1. バック
スポーツバックでも十分だが、駐車場からテント村まで徒歩で約1kmの山道を上り下りするので、リュックタイプの方が楽。また、来年は筑波キャンプもあるので、それを考えた装備がベスト。

2. 衣服
草むらの中をオリエンテーリングするので、Gパンやコットンパンツなど長ズボンが良い。虫に刺されたり、草で足に切傷のできた子が多数いた。上半身は、活動時には半袖で良いが、雨が降ると急激に温度が下がったり、夜も冷え込むので温度調節のできる服装を。3日も風呂に入れないため消臭効果のある下着はベス ト。着替えは多めが良い。靴についてはオリエンテーリング時には登山用の靴、普段のキャンプ生活は運動靴で防水性のあるものが良い。登山用の靴は靴ひもが 余ってそれでつまずく生徒が多く、また上まできちんと結ぶと脱ぎ履きがしづらく見えた。

3. 食事・生活関係
食器については、安価なプラスチックで十分。洗面用具には必ず名前を書くこと。誰のものかがすぐわからなくなる。また、夜光塗料の塗ってあるものだと夜失くしても発見されやすい。飲み物はボランティアのお父さんたちが麦茶を用意してくれる。

4. キャンプ用品
筆記用具にはA4のバインダーがあると、地図やコンパスを利用するとき便利。軍手でも十分だが、皮手(作業用豚皮)があると更に便利。テント内は、蛍光灯が付く。食事の後片付けや集会場へ移動する時に使用する懐中電灯は、両手が自由になる、頭に装着するものが良い。手で持つタイプもあると更に便利。雨具は、 上下が分かれるタイプのレインスーツが良い。登山用でもよいが、意外にゴルフ用の方が腕の部分が取れるため、暑さ対策には良いと思う。また、嵐の時に折り たたみ傘があると、食事場やテント、トイレの移動時にさらに便利。リュックサックは、オリエンテーリングにお昼の弁当、筆記用具、水筒を入れるだけなので,ワンデイパックで十分。虫よけは、ロールタイプがみんなに迷惑を掛けないと思う。虫刺されや擦り傷は常にあると思って、自分で用意していった方が良い。足場が悪いので転んでいる生徒が多かった。よって、簡易な湿布薬を持っていくと良いと思う。

5. その他
施設は、とても設備が整っている。上級生の時に里美キャンプを経験したボランティアの人は、雲泥の差だと言っていた。まず、テント村のそばまで車が進入できるので、救急時の対応にも迅速。トイレは水洗で、とてもきれいで清潔だった。屋根つき炊事場があり、御影石製のテーブルとイスで食事をする。キャンプファイヤーは屋根つきの 施設が2か所あり、雨が降っても十分に楽しめる。お風呂に入れない以外はほとんど普段の生活ができる。

6. 食事メニュー
1日目夕食: チキンカレーとサラダ、梨、茶
飯ごう炊きなので、ライスが焦げたり生焚きだったり。カレーは水の分量を間違え、ほとんどのグループがスープカレーだった。

2日目朝食 :オープンサンドと卵焼き、ヨーグルト、コーヒー牛乳
あと昼食のおにぎりを作るために飯ごうでご飯を炊いていた。結構2回目なのでおいしいご飯になっていた。

2日目昼食: おにぎりとバナナ、スポーツドリンク
朝炊いたご飯で作ったおにぎりをオリエンテーリングの途中で食べた。とてもおいしかった。

2日目夕食:バーベキューと焼きそば、紅茶
さまざまなメニューがあった。私のいた班では、すべて一緒に焼いたため、贅沢肉入り焼きそばとなっていた。

3日目:朝食 オープンサンド、マーガリン・ジャム、ゼリー、りんごジュース
これは失敗はなかったと思う。

以上、経験者が語るキャンプの準備でした。来年のキャンプ初心者の皆さんの参考になればと思います。いずれにしても大きな事故やけがもなく、楽しい3日間で した。キャンボラのお父さんお母さんたちも十分楽しい3日間を過ごし、茗溪の父母としての「絆」が深まったと思います。これからの父母としての学園生活が 楽しいものになりそうです。最後に、ボランティアに参加してくれた父母の皆さんの社会的な人間力の高さに感動しました。特に誰に指図されることなく、テントの設営から撤去、食材の配布や片付の指導等邪魔にならず且つ、行き過ぎた指導もなく、常に先を読んだ行動をする。素晴らしいみなさんでした。ご一緒させ ていただき幸せでした。ありがとうございました。