茗溪学園での12年間

19・25回生父母 二宮 扶実

今考えると、12年前から現在に至るまでの一つ一つの出来事が、子供たちの成長の証で、その時々の苦しかったこと、楽しかったこと、嬉しかったこと全てを私は親として経験できたことをありがたいと思っている。上の子供に茗溪学園を受験させたことがこんなに私たち家族に色々な経験や興奮、そして学ぶ環境の重要さを教えてくれるとは予想していなかった。子供たちは2人とも学園にお世話になったので、他校のことについてはわからないのだが、自分達のことと照らし合わせても「時代が違う」の一言では終わらないと思う。
上の子の在学中6年間は茗溪学園の中を恐る恐る手探りで歩き、下の子の6年間は少しだけ背筋を伸ばし先生方の顔を拝見しながら話ができるようになり、学園の方針や、教育理念も理解できるようになったと思ったところで12年が終わった。その間に子供たちは大きく羽ばたくための準備を終え、上の子は来年度社会へと、下の子は学園で培った精神力と体力で目標に向かって走りはじめている。
私は子供が学園に在籍する中で、レストランお母さんとバザーのボランティアとして数多くの父母の方々と知り合うことができ、そのことを通じて学園の姿勢や卒業生ご父母の学園に対する思い等を理解することができた。また、ボランティア参加に際しての、上級生ご父母の暖かいご指導や励ましもとてもうれしかった。レストランお母さんにおいては、学園の食堂職員の方々の協力なしには決して開催できないと毎年感謝をしている。
(写真は平成18年6月10日桐創祭の「レストランお母さん」)

 
さて、私が学園で一番興味深く感じたのは、5年生で取り組む個人課題研究である。一年間の長き時間をかけ、自らが決めたテーマに真剣に取り組み、無謀ともいえる研究計画をものともせずに、自分らしくのびのびとした結論を出す、これこそが、それまで5年間学園で学んだこと全ての集大成ではないかと思う。このことは、今後の彼らの人生にどのように関わってくるのかわからないが、大きな自信になると思う。
学園での時間は何一つ無駄なものはなく、全ての学習、行事、個々の出来事は人生の上で必ず光を放つものになると思う。また、私にとっての茗溪学園の12年間は子供たちの成長とともに自らも人間として成長できた(?)時間である。
最後になりましたが、学園の先生方、父母会の皆様、ありがとうございました。