2004里美キャンプボランティア体験記:総合・紹介編

里美キャンプに参加して A組 吉田慶子


里美キャンプに行ってきました。楽しい3日間でした。ボランティアを募集していると知り、ここ数年このようなアウトドアから遠ざかっていた私としては、興味と好奇心から行ってみたい気持ちと、体力低下の自覚を拭えない自分のと間で揺れ動いていました。1日くらい行きたいなと甘い考えをしていたら、3日間連続とのこと、これは無理かしら思っていた矢先、幼稚園時代からの友人達に行って見ましょうと誘われ、その言葉にぽんと肩を押されて内窪先生にメールを打ちました。
そしてスタート。それぞれのバスに分かれて親も乗り込みました。バスの中の元気なこと、歌有り、ゲーム有り、中学生になると体も声も大きくなり、その熱気たるやすごいものでした。キャンプ場に着くと子供たちはあちらこちらの場所でそれぞれの持ち場に分かれ、何かの仕事をしているようでした。そしていよいよ夕食作りに。まき調達、野菜洗い、かまどの火起しとおもいおもいに働いていました。なかなか火が着かないかまど、食材の用意がまだできてないのに、キャンプファイヤーのように燃え上がるかまど、飯盒の水は大丈夫? カレーの鍋の水量あれは何人前?


そのような中親たちは口も手も出さないようにしながら見ていました。(どうしても少し口を出してしまいましたが)いろいろなカレーの夕食も終り、曇り空のため星の観察が出来ないと成ると、あちこちで翌日のキャンプファイヤーの出し物の練習が始まりました。広場はちょっとしたパフォーマンス会場、昔の原宿の歩行者天国のようでした。(古い)その興奮の後の就寝時間、案の定寝るに寝られないテントからはそこここからうれしそうな声、声、その中先生のお叱りの声が聞こえていました。
2日目になると火起こしの手順も良くなってきたようで、朝ご飯の支度をしながら同時に昼ご飯のおにぎりの準備もするといった、お母さん顔負けの手順もこなしていました。
そして元気にオリエンテーリングのスタートゲートを出てゆきました。その顛末はまた別に報告があるとおもいますが。チェックポイントに配属された私達母親は心地よい木漏れ日の中、小鳥の声や木々の織りなす涼やかな調べの中、のんびりと非日常的な時間を過ごすことが出来ました。そして子供たちの作ってくれたおいしい(?)おにぎりをいただいておりました。先生方が走り回っていらっしゃるとも知らずに。
キャンプファイヤー。それはPower of Unity 団結の力でした。それぞれのクラスのパワーが一同にかいし、どの出し物も力強く愉しいものでした。演じる方、見る方双方がどちらも真剣に一生懸命愉しんでいました。そしてその環の外側でお父様方が一生懸命キャンプファイヤーの火を守っていらっしゃいました。最後の火文字 Power of Unity の炎の文字は子供たちの心にしっかりと残ったに違いありません。 もちろん私達親もです。
今回のキャンプに参加して、先生方の熱い熱意に感動しました。水槽の中のめだかのように右に左に動き回る子供の群れを先生方は、あたたかく、子供たちの自分たちで考える、自分たちで実行する、自分たちで立ち向かう、 ということをじっと見守っていらっしゃる。そして時として厳しく叱ってもいらっしゃいました。私は親として、この待つということを忘れていたこの頃の自分に気が着きました。
体の大きくなってきた娘に対して、もう中学生なのにどうしてこれができないの、どうしてこれが分からないのと、叱りつけ、先回りして、手を出し、口を出していたような気がします。でもこの待つということが本当に子供にとっては大切のことだ、自分の力でみつけ、自分で力で進むことなのだと、あらためて気付かされました。お父様方は影となり、日なたとなり、力仕事をこなしてくださっていらっやいました。もちろん私達母親も色々な形でお手伝いをすることができ本当に充実した3日間でした。
Power of Unity これは山の天気すら替えてしまうかのように、ここ一番というタイミングにはそれまで降っていた雨もやんで、子供たちはオリエンテーリングもキャンプファイヤーも敢行することができました。内窪先生がおっしゃった、リーダーとフォローアー関係、それぞれの立場でのリーダー、それぞれの立場でのフォローアー、色々な役割をこなしてゆく中で、お互いの立場を理解し、協力をしていくことを学んでいるようでした。
熱い茗渓の先生方、素敵な29回生、パワフルな父母の皆様、その一員になれたことを本当にうれしく思います.
今回のキャンプで一つだけ実現できなかった星の観察。子供たちがテントに入った後、真夜中に見上げた空は満天の星空でした。どの星も私たちの子供のようにとても美しい光をはなっていました。
里美キャンプに参加して B組 小松崎八寿子
「やっぱり参加してよかった。」今、心からそう思っています。
茗渓学園の良さはいろいろあると思いますが、それを実感できるのがこのキャンプではないでしょうか? 先生方の熱い思い、子供たちの目を見張るような成長、父母の連帯感・・・この目で見た感動を、もっと多くの御父母に伝えることができればいいのになあ、と思います。
キャンプの3日間はお天気にも恵まれ(?)、晴天から夕立、しとしと雨までいろいろな里美の景色に会うことができました。それにしても田中先生の予言どおりにキャンプファイヤーの直前には大雨があがったり、暑過ぎずさわやかな高原の空気の中でオリエンテーリングができたり、何かこの子たちには不思議な運がついているのではないかと思ってしまいました。
誉めてあげたいことが3つあります。
1.たった3ヶ月で自分たちの学年のカラーができつつある
・何についても積極的で、たとえうまくいかなくてもめげない。
・失敗した場合でも周りが上手に盛り上げてくれる。
キャンプファイヤーのときのいろいろな出し物は本当によくやったなあと思いました。練習する時間もあまり取れなかったと思いますがよくあそこまでがんばりました。クラスの出し物をやるというのは初めてではないでしょうか?
それにも増して感心したのは、「自分の出番が終わったらもういいや」ではなく、ほかのクラスや有志の応援に行くというのが自然にできていたこと。びっくりしました。
2.たった3日間なのにとても大きくたくましくなった
「生活するって大変なんだ。」ということを体験し、技術を身につけました。今までできなかったことができるようになるってすごいでしょ?また困っている友達を助けたり、みんなを励ましたり、自分がつらいときにそんな行動ができた話をたくさん聞きましたよ。
3.大人の言うことを素直に聞いてくれた
調理器具がきれいに洗えているかどうかのチェックはお母さんたちにとっては結構気が重い仕事です。センター側のチェックが厳しいことは聞いていますから、私たちが甘くするわけにはいかないのです。心を鬼にして言うクレームをちゃんと聞いて素直に食器を洗いなおしたり、物を探しにいったりしてくれました。中には飯ごうを洗っているうちに「汚れが落ちるって楽しい!」と目覚めてしまい、飯ごうの黒い塗料までも削り始めてしまいあわてて止めた子もいました。
よほど理不尽なことでない限りは大人の注意は素直に聞くようにすると、いろいろなことを教えてもらえるようになります。自分を大きくするチャンスだってことを、あなた方はもしかして、もう知っていたのかな?
もちろんもっとがんばってほしいこともありますよ。
1.人の話はきちんと聞いて正しい知識を得よう。
柴田教頭先生が「正しい知識に基づいていない自信は危険を招く。」とおっしゃいました。今回のオリエンテーリングは貴重な経験になり、大きな教訓を残したと思います。間違っていることに気づかなければ直しようがない。また食事つくりの際も、火の起こし方とか、カレーを煮込むときのお水の量とか、いろいろ先生はおっしゃっていたでしょう? とにかくよく話を聞きましょう。
2.それぞれがわがままをしていてはキャンプはうまくいかないよ。
疲れてくると本音が出ますね。「男子が火起こしをしてくれないから。」「女子が味付けが下手だから。」そんな言葉は出ませんでしたか? みんなが自分の役割を果たし、終わっていない子を手伝ってあげたらきっとすごくうまくいくと思いませんか? うまく行った班とうまく行かなかった班、「どこがちがうのかなあ。」って、考えてみましたか? 頭を使うことはとても大切ですね。
最後に一番感じたことは、「茗渓に入学できて本当によかったなあ。」「この先生方にご指導いただけて本当によかったなあ。」ということです。いろいろなチャンスを与えてくれる学校、ただの教員ではなく教育者ばかりの学校、決して後ろを向かない学校、そんな学校はそういくつもないと思います。そしてこの学年の積極性と明るさ。本当に6年間が楽しみです。里キャンでできた父母の輪ももっと広げて行けたらどんなに楽しいことでしょう。また来年も・・・どうぞよろしくお願いいたします。
今考えていること・・・ C組 倉津秀典
本当に楽しい、キャンプでした。不覚にも、楽しんでしまいました。ほんのお手伝いのつもりでしたが、いつの間にかキャンプの一員でした。そして、多くのことに感動しました。
明るく、屈託のない子供たちがのびのびと活動するさまは、大変ほほえましいものでした。また、先生方のこどもたちに接する様子は、まるで学園ドラマを見ているようでした。236名もの子供たちをまとめてゆくのに、先生方はその立場を利用して、一喝によりその場を収める、と言った手段は決して用いませんでした。いざこざが起こった時にはその当事者たちとひざを交えてとことん話し合い、解決に導いていました。
『ちょっとは手を抜いても罰は当たらないだろうに』と思うことが何度もありました。
オリエンテーリング、キャンプファイヤーや、薪をナタで割ることからはじめる自炊などを通して、子供たちは生きるための技術を学び、皆で力をあわせれば物事を成し遂げられることを学んでいました。 そして私は、それを見守り、子供たちの目線で導く先生方のひたむきな姿勢に感服、感激すると共に、そこから子育てや、社会生活に参考となるたくさんのことを学びました。
ずいぶんお得なキャンプでした。 b(^-^)
キャンプから帰って、その余韻に浸りながら、頭では来年のことを考えています。
筑波キャンプのことではなく、茗溪学園を受験出来ないだろうか・・・ (-_-;)ゞ
筑キャンへの里キャン D組 坂本直昭
子供のためじゃない。自分のために行け、と妻に言った。
私は、初日だけ参加した。
飯盒のおこげ、芯のある野菜、スープカレー、泣けるほどうまかった。
目の前で生徒が手を切った。
「俺は何を見てるんだ!」
診療所へ向かう車中、無言の彼から二つの言葉を感じた。
「早く みんなの所へ戻りたい。」
「刃物を持ったら、今度はあわてないぞ。」
最終日、子供を迎えに行く。
開口一番、OLのことを話す。
無性にうれしくなった。
慰労会に出向く。
生き生きした顔、目、声が熱い空気を作っていた。
妻もその中にいた。
帰宅後、家族の話題は来年の筑キャンとなった。

里美キャンプレポート E組 加古川淳一郎
皆さんのお子さんはキャンプから帰ってきて、家でどんな話をしたでしょうか?
初めて飯ごうで炊いたご飯の味でしょうか、
ナタを使った薪割りでしょうか、
夜中にテントで騒いで先生に叱られたことでしょうか、
オリエンテーリングで上手に回れたことでしょうか、それともコースからはずれ車で救助されたことでしょうか、
雨が降る中でのキャンプファイヤーで思い切り自分達のパフォーマンスを楽しんだことでしょうか、
チームで共同作業をするなか、新たな友達と出会えたことでしょうか、
チームをまとめる課程で自分の新たな能力や役割を発見したことでしょうか。
3日間のキャンプ中、私は子どもと2回すれ違いましたが、言葉を交わすことなく、自分の子どもがどのように過ごしているかは全く分かりませんでした。それでも私の回りにいた子ども達の様子から想像すれば、キャンプ生活を大いに満喫していたのが分かります。
皆さんのお子さんも間違いなくこの3日間を楽しみ、貴重な体験をしていました。
その源は、もちろん子ども達自身が前向きに取り組んできたことにありますが、準備の時から子ども達の意欲を引き出し、キャンプ中3日間休みなく子ども達のために動き回っていた先生方の支援にあると思います。
先生方の真摯な姿には参加した父母全員が心を打たれました。心より感謝申しあげます。