校技大会のレフリーを手伝って

28回生父母 小川精一郎

茗溪における学園生活の1年は校技大会で終わる。終業式前の2日間、男子はラグビー、女子は剣道の試合を行う。
私は東京都ラグビー協会公認レフリーをしているので、ラグビーのレフリーのお手伝いをさせて頂くことになった。
グランドに設営された3面のコートで全校男子生徒たちがボールを追う。花園や熊谷など3面を有するラグビー場はあるが、茗溪の場合は3面が近接しており、周辺には出番に備え練習する生徒たちもいるから誠に壮観である。
試合に臨む生徒たちの表情は真剣そのものだ。ラグビー部員の豪快な突進をテニス部員が一発のタックルで倒したりすると、どっと歓声が上がる。


 中学1、2年は体重別に2階級に分けて行う他、学年ごとに生徒の発育に応じたルールが設定されているので、けがの発生は少ない。
剣道の試合を終えた女子生徒がグランドに応援に駆けつけ黄色い声援がとぶようになると試合はいっそう白熱する。女子も高2となると授業でタグラグビーを経験しているので、応援のツボを心得ている。負けて涙する男子生徒がいれば、それを見てもらい泣きする女子生徒もいる。
試合後の疲労感、満足感に、クラスは明日で解散(高2を除く)という感慨が重なり、皆気分が高揚しているように見える。
 大会の最後は高2選抜チーム対教員・OB選抜チームの友好試合である。高2選抜チームはラグビー部員以外で構成されるが、OBの1人によれば「このチームで県ベスト8は行ける」とのこと。果たして好試合が展開される。保健体育の先生はもちろんだが、英語や国語の先生が意外な活躍をされる。交替自由なので、ゴール前のチャンスになると柔道部顧問の先生が突如登場し、巨体を利したトライを決めて、やんやの喝采を浴びる。
花園や秩父宮で見る茗溪ラグビーとは一味違う全員参加の茗溪ラグビーがそこにはある。茗溪の校技はすばらしい。