中学2年生「筑波山キャンプ」レポート

毎年秋に、中学二年生が参加する「キャンプ」。このキャンプでは父母の方たちのお手伝いが欠かせません。今年の筑波山キャンプに「父母ボランティア」として参加したお父さんに、キャンプでの様子をレポートしていただきました。

 

事前準備はバッチリ?

6月初旬、父母のキャンプボランティア(以下、父母ボラ)メンバーが決まり、6月下旬には、第1回の打ち合わせ会がありました。父母ボラ心得「見守り第一。手出し口出しは御法度。何事も臨機応変に」や現地での様子について情報共有をしました。また、キャンプファイヤーの余興の話し合いもありました。昨年は現地で話があったため(泣く泣く?)辞退したそうで、昨年の里美キャンプに続いて参加するメンバーは、リベンジに燃えています。検討の結果、1つでは短いということで、余興は、「ダンシングヒーロー」と「YMCA(ヤングマン)」の2つに決まりました。
7月中旬、2回目の会合があり、初日の役割分担等の相談と余興の練習をしました。バッチリ練習してきた人、実際に踊るのは初めてという人、さまざまです。その後、“HIDEKI”のコスチュームを作ったり、練習で撮影した動画の共有をしたりしたのですが、「出し物に熱が入っているようですが、お仕事の調整もよろしくお願いします」と先生からメッセージが…。
9月初旬、3回目の会合です。キャンプを数日後に控えて、最後の特訓です(もちろん余興の。そして特訓は最後ではなかったのです…)。とは言え、先生からのお言葉にもあったように、役割分担、配車、挨拶の担当等、決めるべきことは決めておきます。ただし、詳細は臨機応変にねということで、現場判断でやっていこうということも多かったです。

 

キャンプスタート。いきなりの暑さ

さて、いよいよキャンプ初日です。台風一過の快晴に恵まれて、中学2年生の筑波山キャンプはスタートし、係の生徒たちの進行で、中庭で出発式が行われました。父母ボラも、お揃いのTシャツに身を包んで出発式に参列しました。ボランティアの紹介のときには、生徒たちがこちらを向いて挨拶してくれて、ちょっと新鮮な気分でした。
出発式を終えると、父母ボラは車に分乗して移動です。現地入りした直後から作業が始まり、テントや机、機材をトラックから下ろしていきますが、すぐに汗だくに。雲も出ていなければ、風も吹いていません。この暑い中、生徒たちは荷物を背負って学校から約20㎞の距離を歩いているのかと思うと心配になります。実際、到着した生徒が、「首のうしろが日焼けで痛い」と言っていましたから、相当の日射しだったのだと思います。

出発前の記念撮影です。Tシャツの後ろ側にはメンバーの名前がプリントされています。

 

ボランティアも本格始動

生徒たちが到着する前に、本部テントの設営、宿泊用テントや毛布、食器・食材の準備、麦茶作り等やることが目白押しでした。あわただしく時間が過ぎていき、そうこうしている間に、最初の班が相当な早さで到着しました。到着した生徒は、人数がそろい次第、休む間もなくテントの設営を始めました。テントを張り終わった後も、ゆっくり休むかと思いきや、鬼ごっこをしたりして走り回っています。20kmの道のりを歩いてきた後だというのに、元気いっぱいでした。
ルート上で生徒たちの安全確保を行う立哨(立ち番)も父母ボラの役割でした。早めに到着する班ほど元気いっぱいで、坂道を駆け上がっていきますが、時間が経つにつれて、だんだんと疲れた顔が目立つようになっていきます。先生から伺った話では、以前は、男子が女子の荷物を持って、協力して坂を登っていくのが良く見られたらしいのですが、今どきの子たちは女子の方がパワフルで…とのこと。男子の頑張りも期待したいところです。
生徒たちの到着を待つ間、「迷いました」という電話が先生方に何度もかかってきていました。
先生「何が見える?」
生徒「家があって、電柱があります。」
先生「…山は見える?」
生徒「わかりません」
先生の誘導でなんとか無事に到着することができましたが、よくたどり着いたと誉めてあげたかったです。一番遅かった班は「時間がかかった分、班の人たちと仲良くなれました!」と前向きなコメントを残していました。

 

麦茶作りは続くよ、どこまでも

父母ボラのメインの作業は、食器や食材の準備と麦茶作りです。朝6時前と午後に配達されてくる食材を受け取り、手際よく班ごとのケースに分けていきます。朝6時前から夕食後まで延々と続く麦茶作りは、主に父ボラの担当です。離れた小屋から薪を運び、こつこつと薪割りをしつつ、かまどの火を維持します。はじめは麦茶パックを入れる個数が少なくて、味が薄いということもありましたが、段々と手慣れていきました。キャンプ中は脱水症状が心配になるくらいの猛暑で、麦茶作りにも力が入りました。

 

左上:作業をした広場(父母ボラはここで余興ダンスの練習をしました)。右上:食材を班ごとに必要な分だけ分けています。左下:麦茶作成中。朝から夜まで火が絶えることはありません。下(中央と右):班ごとに分類された食器類と食材。

 

スペシャルな配置

中学2年生はA組からG組まである大所帯です。スペースの問題から、例年とは違って、生徒たちのテントは体育館横の芝生、本部テントは体育館前、食材等の受け渡しのテントは炊事場近くの広場と分散していました。おそらく、かまどの位置も例年とは違ったのだと思います。意外なことに、青年の家でもこの人数を受け入れるのは初めてだったそうで、毛布を倉庫から出すといった追加作業もありました。また、このキャンプのために新しく購入したテントもあって、新品の毛布やテントを使えた生徒もいました。芝生でのテントは、傾斜や木の根などの凹凸もなくて、何よりふかふかで快適そうでした。直射日光が当たるので、さぞかし暑いのではと心配になりましたが、夜は涼しかったようで、逆にちょっと寒かったという声も聞こえました。

居心地の良さそうな芝生でのテント。手前が男子、奥側が女子の配置です。グレーのテントが新しいものです。女子が使っています。さらに居心地の良いドーム型のテント(右)は父母ボラと女性教員に割り振られました。手前から四張り目は、生徒たちが到着する前に父母ボラが張った見本テントです。先生の指導で張りました。

 

おもてなしに感激!

父母ボラメンバーの一番の関心事は、食事だったのではないでしょうか。昨年の里美キャンプでは炊けていない半生のごはんもあったという話もあって、自分がゲストになっている班はどうかと心配する父母ボラもいました。しかし、そんな心配は杞憂に終わり、おいしいごはんをごちそうになりました。1年間の生徒たちの成長を実感できたという意見が多かったです。
また、生徒たちのおもてなしがすごかったと多くの父母ボラが言っていました。一番おいしそうにできたものを出してくれて、いっぱいよそってくれます。自分がおかわりをするときには、「おかわりどうですか?」と必ず聞いてくれます。育ち盛りの生徒たちと同じ量は食べきれません。最初の分だけでも多すぎるくらいなのでお断りすると、次には同じ班の人に「食べる?」と聞いていました。聞かれた生徒は返事をするときにちゃんと「ありがとう」とお礼を言っています。食事の準備や後片付けでも、ちょっと手伝いをしてもらったときには、ちゃんとお礼が言えていましたし、他にも、ちょっとアドバイスをすると、「ありがとうございます」とお礼を言ってくれました。とても礼儀正しいと感じました。

生徒たちが頑張って作った食事の数々と調理風景。昨年の里美キャンプから火熾しや調理の腕に格段の向上が見られました。班ごとにメニューアレンジして、相談しながら作ったようです。例えば、中段左の小松菜はおひたしにすることになっていたのですが、この班はベーコンエッグと一緒に炒めています。他にも味噌汁の具になっていた班もありました。右下は、作業が一段落して、食事に呼ばれるのを待っている母ボラです。他の人が食事を終えて帰ってきても、呼ばれないこともあり、最後になるとだいぶ心細いです。

 

まだまだ歩きます〜巡検&オリエンテーリング〜

2日目の巡検、3日目のオリエンテーリングと生徒たちが歩き回るイベントが続きました。父母ボラは麦茶の運搬や立哨を行いました。立哨をする人員を入れ替えたり、麦茶を運んだりするために、何台かの車を利用していましたが、道が狭く、急勾配なので、思ったより移動に時間がかかり、常に走り回っている状態でした。立哨の時には、地元の方から「今年も来たんだねー」と声をかけられたり、果物を頂いたりしました。毎年、多くの生徒が活動できるのも、ずっと見守ってくださっている地域の皆さまのご協力のおかげだと感じました。

 

踊れ!踊れ!踊れ! 盛り上がっていこう!

生徒たちだけでなく、父母ボラも待ちに待った(?)キャンプファイヤーでは、生徒たちの出し物のレベルの高さに驚きました。キャンプファイヤーの進行も生徒たちの手で行われ、ソロでの歌唱、バレエ、部活やクラスのダンスなど里美キャンプとは比べものにならないレベルで演出されていて、何より生徒たちが楽しそうに歌ったり、踊ったりしている姿を見ることができて感動しました。最後には、父母ボラも生徒たちと一緒にマイムマイムを踊って大いに盛り上がりました。
最初にも触れましたが、父母ボラも昨年のキャンプで参加できなかったリベンジを図るべく、衣装を揃え、曲の編集をし、練習に励んできていました。キャンプが始まってからも、合間をぬって振りの確認をしたり、ダンス後の動きを決めたりしていましたが、事前の練習に参加できなかった父母ボラもいたため、1日目も2日目も、深夜までの特訓になっていました。そして、キャンプファイヤーの着火直前にも、暗がりで振りの確認に余念がありません。その成果が発揮され、本番での父母ボラのパフォーマンスは大成功で、生徒たちも一緒にYMCAを踊ってくれ、大変好評でした。
言わずもがなですが、キャンプファイヤーでの父母ボラの仕事は踊ることではありません。キャンプファイヤーの炎を適切な状態でキープするのが最大ミッションです。開始直後から炎が全開で過激気味だった昨年の反省を活かして、イベント中に徐々に盛り上がっていくように、焚き木を組む段階から気を使いました。キャンプ場の方のアドバイスで、焚き木を井の字に組み上げて中にも薪を立てて入れたところ、生徒たちの盛り上がりに合わせて、最後まで火の状態を維持できて、大成功だったと思います。1つ心残りだったのは、それまでずっと天気がよかったのに小雨が降り出したこともあって、最後の火文字が上手く着火しなかったことです。せっかくの生徒たちの力作を実らせることができず、誠に残念でした。

キャンプファイヤーでの父母ボラのパフォーマンス(上段:ダンシングヒーロー 下段左:ヤングマン)と作業の合間でのリハーサルの様子。右はキャンプファイヤーの着火と、途中で焚き木を投入する父ボラです。ヤングマンのWヒデキの衣装は100均のレインスーツに布を貼り付けて作った母ボラの力作です。背中には「ヒデキ」「感激」と書いてありましたが、生徒たちにはあまりうけなかったようです。

 

おわりに

中学1年の里美キャンプでは、まだまだ危なっかしく目が離せない感じでしたが、中学2年の筑波山キャンプは生徒たちが臨機応変に行動していて、安心して見守ることができました。また、日ごろどのように先生や友達と接しているかなど、他の父母と情報共有できた4日間はとっても貴重な体験となりました。何より、ぬるい麦茶とスポーツドリンクで頑張った生徒の皆さん。本当におつかれさまでした。

 

閉村式(左)と解散式(右)。相変わらずの日射しで、父母ボラは日陰に集まっています。さすがに生徒たちも疲れた様子でしたが、解散式が始まる前に、キャンプで使った用具類を倉庫に片付ける作業をした父母ボラも疲れきっています。